中澤裕子ドキュメント 30歳の走り

10月30日 練習2日目
ここにハナちゃんが…
−どうですか。体の方は?−
いやぁ、もう、大変でしたよ。
−筋肉痛ですか?−
筋肉痛も…なんだろ、今までに経験したことのないような筋肉痛で、ハンパじゃなくて…。私、犬飼ってるじゃないですか。犬が乗るんですよここ(太腿あたりを指しながら)に。それが痛くて、犬に八つ当たりしちゃった…(笑)。
慣れないトレーニングで悲鳴を上げる体を気遣いながら2日目がスタート。とはいえ、負けず嫌いな性格から、やはり全力になっていた。
ひたすら練習まずは、走る時の腕の振り方を習い、その後、前回の復習から。
−だいぶ慣れてきたんじゃないですか?−
ずーっと、そのことしか考えてないですもん、最近。頭の中で、歩きながら。止まっててもね
前回、転倒した後に何とかクリアした倒して低くなっているハードル。しかし、この日は怖がるそぶりもなく跳び越していく中澤。果たして恐怖心はなくなったのか。
−怖さもなくなってきたんですか?−
止まる方が怖い、今は。
それは、もう、一歩進んだということですよ。
昨年覚えた、跳べることの喜び。そして、今年はそれを勝つことの喜びに変えようと、ひたすら練習に打ち込む中澤。
抜き脚の修得ハードルの要ともいえる「抜き脚」。これをマスターすることで、大幅なタイムの短縮に繋がる。練習は1歩先へと進化した。とはいえ、そう簡単にできるものではなく、体にも大きな負担がかかる。ハードルを跳ぶ中澤の脚も徐々に動きが悪くなり始めた。
前回の疲労に加えて、慣れない動きが30歳の体を襲う。モーニング娘。時代、ステージで踊っていたときも、このようなことはあったのか?
何か違う。このしんどさは、違うね。コンサートとも違うし。
何か、ダンスとかしている方がきつそうに見えますけどね。
あれも、でも、止まっちゃいけないんですよ。止まったら、こうなっちゃうから、ずーっとやってるのはいいんですけど、でも、筋肉が痛くなるとか、そういうのとは違う感じ。
いい汗かいてます冬とは思えない暑さにも体力を奪われ、この日は限界と判断したトレーナーはここで練習を終了。中澤にとっては初めて知る感覚。
−2日目の練習を終えて−
いや、何か、トレーニングをしている間は、時間が長いなとかは何も感じないんですけど、体が正直ですね。体がもう、そんなに急にやるのはやめてくれと信号を出してくる感じが。早く上達したいんですけど、無理して本番に体調を崩していたら何にもならないので。…1回や2回じゃ上手くならないよね。
高さは相変わらず低いままでやっていたんですけど、走って跳ぶというのは、前回もやっているし怖くなかったですね。どうやったって跳べる高さだということに気がついたので(笑)、なおさら、教えてもらったとおりに腕を振れば動きやすくもなったし。

−体に変化は?−
筋肉痛があるくらい(笑)。体が軽くなったとか、そこまではまだないけど…「あれ、意外に私って運動嫌いじゃないじゃん」みたいな気はする。でも、それは、あれですよ「やらなきゃいけない」っていう自分の中の目標があるからできることであって、やっぱり、トレーニングしている分、何か上達しないといけないと思うし、みんなもフットサルやってるから、みんな頑張ってるし。
−こんなに運動を真剣にやったことは?−
みんなも頑張ってるし、私も…ない(即答)。私が真剣に体を動かしてたなっていう意識があるのは、モーニング時代にやってた動きとかダンスとかそれくらいで、それも、それまで真剣にやったことなくて…もう、ホント体育とか大ッキライなんですよ。
やらなきゃいけない意味が分からないっていうか、そんなことばかり考えて学生時代を過ごしていたので、それは今でも、その頃のものが重要性があるものだったのかは分からないんですけど、今、私がやっていることは何か意味があることなんだろうなっていうのと、まぁ、人間一回くらい真剣にどこかでやらなアカンちゅうことですわ、恐らく。何かそんな気がする。
これで、予選通らなかったらゴメンなさいねってね、もう(笑い)。プレッシャーに負けないように、「打倒まいちゃん」で、頑張ります

中澤裕子、30歳の挑戦。まず第一段階をクリアーし次のステップへ。
〜〜〜
練習3日目へ続く